多摩図書館で、世界中の雑誌に触れる
国内外から集められた雑誌のラインナップ
2017年に現在の国分寺市に移転し、明るく開放的なつくりの館内。窓に面して椅子も配置され、緑を愛でながら読書体験ができる。閲覧室と開架書庫には約6,000タイトルの国内外から集められた雑誌が最新号から過去1年分のバックナンバーまで揃っている。北米、南米、ヨーロッパ、アジアなどから12カ国語、約400タイトルの雑誌がずらりと並んだ外国語雑誌コーナーは圧巻だ。言語がわからなくても、写真やデザインを眺めるだけでも楽しい。また、国内の雑誌は日本全国の地域情報誌が揃っており、都内の図書館ではなかなか手に入りにくい地域性の高い情報に触れることができる。
書庫に所蔵されている雑誌創刊号を集めた「創刊号コレクション」は、多摩図書館の魅力の一つ。1877年から現在まで発刊されたあらゆるジャンルの創刊号約8,300タイトルが年代別に揃い、日本の大衆文化の変遷を俯瞰することのできる貴重なコレクションだ。
展示エリアでは企画展示が定期的に行われており、「東京マガジンバンク」の膨大なアーカイブに触れることができる。また、所蔵雑誌を活用し学びと交流の拠点を作り上げることを目指す「東京マガジンバンクカレッジ」という取組ではイベントも開催され、雑誌が好きな利用者の交流の場となっている。
親子で楽しめる世界の絵本や児童書も豊富
児童向けの書籍を揃えた「こどものへや」には、約1万3,000冊の絵本や物語、知識の本、外国語の児童書が並ぶ。子どもの目線の高さに合わせた書棚が置かれたこのエリアには、子ども用の検索パソコンもあり、子どもが自主的に本を選べる環境を整えている。靴を脱いでくつろげる「えほんのこべや」は、乳幼児を連れた保護者もリラックスして過ごすことができるとあって、人気のコーナーだ。
また、特別な配慮を必要とする子どもを対象とした、アクセシブルな本のコーナー、「APPLE SHELF(りんごの棚)」も。この取組は、1993年にスウェーデンの図書館で始まり、今では世界各地に広がっている。展示エリアでは、児童青少年資料を活用した企画展示も定期的に行い、子どもの本の豊かさに触れることができる。
雑誌好きにはたまらないコレクションがあり、親子連れもゆっくりと過ごすことができる東京都立多摩図書館。所蔵資料を活用した様々な展示なども開催されている。ぜひ訪れて、世界中の本や雑誌に触れてみよう。
写真/榊水麗