丸の内が人に寄り添う街といわれる理由

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 東京駅と皇居の間に位置する丸の内は、日本のビジネスの中心地として知られている。高層ビルと緑豊かな広々とした歩道から成る景観は、他のビジネス街には見られない。丸の内は、公共のベンチが歩道に設置されている数少ない東京のエリアの一つで、歩行者にやさしい街といえるだろう。
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丸の内ストリートマーケットの様子。Photo: courtesy of Yellow Cat via Shutterstock.com.

 公共のベンチの設置は、丸の内で他のビジネス街とは異なる街づくりが行われていることの一例にすぎない。政府と民間企業が一丸となって、丸の内を人が心地よく過ごせるエリアになるように取り組んできた。

 こういった都市を造るには、人々に社会的な交流やさまざまなコミュニティ活動への参加を促すことが重要だ。丸の内の都市開発は、単に企業のネットワークを広げるだけでなく、人々の移動を活発にし、共同体に役立つインフラをつくることに重点を置いている。

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東京駅丸の内駅前広場の打ち水のシステムは、夏の地表温度を下げる役割を果たしている。Photo by Picture Cells via Shutterstock.com

丸の内の広大な公共スペース

 歩行者を中心とした都市計画には、緻密に設計された公共交通システムが欠かせない。東京駅は毎日約50万人の乗客を輸送する合計14の新幹線や電車、地下鉄の路線が乗り入れる。

 また、東京駅は人々が集い、交流できる多機能な場所としても機能している。2012年には駅舎を元のデザインに復元する改修工事が行われ、駅前広場が設けられた。ここでは誰もがベンチを利用したり、写真を撮ったり、くつろぐことができる。

 駅前広場から皇居まで、秋には紅葉が美しい木々が並ぶ行幸通りが続く。この改修プロジェクトは、東京都とJR東日本の協力によるもので、2018年には人にやさしい都市開発に貢献したとして、グッドデザイン金賞を受賞した。

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行幸通り。Photo: courtesy of Sanga Park via Shutterstock.com

レジャーの街としての丸の内

 平日、このビジネス街にそびえ立つ高層ビルには、スーツ姿のオフィスワーカーが集まる。しかし、週末になると一転、家族やカップルなど老若男女がレジャーを楽しむ街に変わる。

 仲通りにはパブリックアートが点在し、周辺には美術館もあることから、人気のアート散策スポットとしても知られている。中でも、三菱一号館美術館は注目すべき美術館の一つだ。ここでは、伝統的な日本美術からヨーロッパのコンテンポラリーアートまで幅広い企画展が年に2~3回開催される。  

 そして、丸の内はショッピングやグルメの街でもある。オフィスビルの1階には高級ファッションブランド、カフェ、高級レストランが入っており、屋外席やテラスがある店も多い。ショッピング街の喧騒を逃れたい時は、皇居外苑や日比谷公園などの公園へ。家族やカップルはピクニックシート持参で軽食を楽しんだり、散策をして過ごしている。 

 早朝には、多くのランナーやサイクリストの姿も多い。行幸通りでストレッチをして、広大な皇居外苑の美しい景色を眺めながら体を動かすのだ。

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丸の内仲通り。Photo: Oasis2Me via Shutterstock.com

丸の内の中心地、仲通り

 仲通りは、丸の内の活気をもっとも感じられる場所だ。この仲通りは、平日の午前11時から午後3時まで、週末の午前11時から午後5時までは車両通行止めとなり、フードトラックやベンチが設置され、時にはストリートミュージシャンが登場する。コーヒーを片手に音楽を楽しんだり、お店を巡ったり、木立が続く仲通りをぶらりと散策したりと人々の憩いの場となっている。

*本記事は、「Tokyo Weekender」(2022年12月21日公開)の提供記事です。

文/ナディラ
翻訳/長沢光希
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