ゴミ拾い×スポーツで、環境問題に触れる
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日本発祥の新スポーツ「スポGOMI」
東京・新橋はビジネス街であり、多くの飲食店が立ち並ぶ繁華街でもある。2023年12月2日、新橋のSL広場が土曜の朝にもかかわらず、ゴミ袋を手にした人たちで盛り上がっていた。「スポGOMI大会 in みなと」だ。
主催はSDGsや環境問題に関心の高い港区の事業者が参加する「みなと環境にやさしい事業者会議(MECC)」で、今回で10回目の開催となった。
スポGOMIは2008年に一般社団法人ソーシャルスポーツイニシアチブが、ゴミ拾いにスポーツのエッセンスを取り入れて競技化した、日本発祥のスポーツである。2023年11月22日には、世界各国の予選を勝ち抜いた代表チームによる初のワールドカップ決勝が東京・渋谷で開催された。
ゴミの質と量でポイントを競う
「スポGOMI大会 in みなと」は1チーム3~5名で、今回は募集20チームのところ、それを上回る23チーム約110名が集まった。年齢層は小学生から60代まで幅広い。「昨年参加して楽しかったから」と、リピーターが多いのもこのイベントの特徴だろう。
競技エリアはSL広場から半径約1キロメートルで、制限時間は1時間だ。最後に拾ってきたゴミを分別・得点換算し、順位が決まる。
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例えば、比較的見つけやすい燃えるゴミは100グラムで1ポイント、ペットボトルは1本につき1ポイント、タバコの吸い殻は100グラムで100ポイントなど、ゴミの質や量によって換算ポイントが定められている。
第1回大会からSL広場を会場としていることについて、MECC事務局の高木信彰氏は「参加者はもちろん、通行人や観光客など多くの方にスポGOMIや地球環境に関心を持っていただきたいので、港区の協力のもと、たくさんの人が行き交う場所で開催しています。新橋は金曜の夜は大賑わいなので、翌朝はゴミが普段より多いんです。土曜の朝は開催にうってつけです」と話す。
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環境問題への意識を養うきっかけに
1時間で合計91.26キログラムものゴミが集められ、新橋の街から消えた。イベント後に参加者から「思っていたよりタバコの吸い殻が多かったですね」「割れた陶磁器が道路脇に落ちていて驚きました」などの声が寄せられた。
順位にかかわらず、子どもたちには参加賞としてお菓子のプレゼントを用意している。次世代を担う子どもたちが地球環境問題に取り組む意識を育むことも大会の意義の一つだという。
「参加者は『ゴミ拾いはこんなに大変なんだ』と気付き、ポイ捨てをしなくなります。この経験を機に、環境問題への意識を持つ人が増えてくれることを願っています」と高木氏は言う。
環境問題への意識を持つ人が増えること、次世代の環境がより良くなることを目指したイベント「スポGOMI大会」で、また来年もSL広場が盛り上がるだろう。
写真/金子怜史