Next Generation Talent:
早稲田ビジネススクールで金融界とつながるチャンスをつかむ
東京で見つけた居場所
中国出身のトウさんが日本文化に興味を持つきっかけとなったのは、日本のポップミュージックだった。「Jポップがとても好きで、back numberなどお気に入りのバンドもいます。もともと語学好きだったこともあって、日本語を勉強しようと思いました」。Jポップ愛がトウさんの留学のきっかけだったかもしれないが、それだけではなかった。
「私の卒業論文のテーマは、東アジアにおける株価と為替レートの関係です。それらが相互にどのような影響を及ぼし合っているのか、どのような世界的影響を与えているのかに着目しました。政策決定の方向性を示すことができるものです。資産価格と株式投資の授業が好きで、高度な数学が必要でしたが、先生が理論をわかりやすく説明してくれて、とても面白かったです」
素晴らしい教育の機会が得られ、各分野の専門家に接することのできる早稲田大学大学院経営管理研究科には、誰にとっても居場所がある。
留学生が成功するためのツールを提供
トウさんは、ファイナンスのバックグラウンドと、東京での留学生活で得たコミュニケーションスキルを生かして、いつか外資系投資銀行で働きたいと考えている。
「人とつながるチャンスを逃さないようにしています。私は、友人の友人が金融業界で働いていたら、紹介してもらうようにお願いしたり、講師や先生、教授に人脈作りのサポートを相談したりしています」
留学生にとって、東京のチャンスはいたるところにあるが、労せず利益を得ることはできない。「ここで成功体験を得るには、大変な努力が必要です」
トウさんは、ブルームバーグなど都内の金融機関の見学ツアーに参加するなど、大学のリソースを活用したそうだ。この大規模な金融都市で「お金を感じる」こともそうだ。大学院のプログラムは英語で行われたが、将来より多くのチャンスを得るため、日本語を修得する努力もした。
「ここでは日本語の授業もあり、希望すれば履修できます。日本人の卒業生と競争するためには、流暢な日本語が話せなくてはいけないと思います。私は教授が英語と日本語を使うバイリンガルの授業を受けました」
チャレンジに最適な環境
自身をワーカホリックと評するトウさんは、東京ではナイトライフの選択肢が少ないことに驚いたという。「中国や韓国と比べると、東京はナイトライフが充実していないと思います。深夜営業、あるいは24時間営業のレストランは限られていて、夜遅くまで営業しているコンビニやスーパーがあるくらいです」
東京ではポップカルチャーであれ、にぎやかなナイトライフであれ、あらゆるエンターテインメントがあるが、自分で探し出さなければならない。一方で、東京は海外の他の都市に比べて落ち着いた雰囲気であることは、トウさんにとっては勉強に集中する上でプラスに働いた。
「多くの大都市を訪れましたが、東京はユニークです。とても秩序があり、人々はマナーを守り、街中での違法行為は稀です。一番気に入っているのは、非常に整然としているところです。大都会で国際的で、とても広いのに、すべてが清潔で整理されています」
留学生にとって東京で難解な学問に挑むのは、プールの底に放り込まれたような感じかもしれない。しかし、慣れて周りを見渡せば、目標達成のために沈まないよう支えてくれるものが豊富にある。
トウ・シケン
大学院経営管理研究科 MSc in Finance プログラム
2年間の総合的なプログラムで、授業は英語で行われ、金融サービス部門で働くための知識と実践的なスキルを得ることができる。専門的な実務経験がなくても出願が可能で、プログラムのカリキュラムと日本語の授業を組み合わせることもできる。https://www.waseda.jp/fcom/wbs/about/overview/finance
早稲田大学大学院経営管理研究科
https://www.waseda.jp/fcom/wbs/写真/ミヤジシンゴ
翻訳/前田雅子