バーチャルとリアルで友だちの輪が広がる、新たな観光体験

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 東京観光の新たなプロモーションとして、メタバース(インターネット上に構築されたバーチャル空間)やAR(拡張現実)の技術を活用した交流プラットフォーム「HELLO! TOKYO FRIENDS」がリリースされた。コンセプトは「東京に友だちを作ろう」で、利用者はバーチャル空間と現実世界で、東京の魅力を楽しみながら、新たな交流の輪を広げることができる。
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「HELLO! TOKYO FRIENDS」のメインビジュアル。メタバースの中で世界中の人が交流を楽しむことができる。

 東京都と東京観光財団は、メタバースや拡張現実(AR)技術を駆使して、国内外の旅行者に向けて東京の魅力を広める新たなプロモーション「HELLO! TOKYO FRIENDS」を公開した。利用者は東京の名所を配置したメタバース空間で散策したり、ゲームを楽しんだり、実際の東京の街でAR撮影を体験しながら、東京の魅力を味わいつつ友だちの輪を広げることができる。

ゲーム感覚で楽しめ友だち作りの工夫も満載

 メタバース空間は、Roblox(ロブロックス)という、世界有数の没入型プラットフォームを活用して作られている。そこには、現代エリアと江戸エリアの2つのエリアがある。現代エリアでは、お台場、東京タワー、東京都庁、東京国立博物館、東京駅、両国国技館、渋谷、秋葉原、豊洲市場、そして日本橋を含む10箇所以上の名所が配置されている。江戸エリアは、数百年前の街並みとして、江戸城をはじめ、日本の経済の中心であった日本橋界隈の賑わいや現在も人気の観光スポットである浅草寺などをダイナミックに再現している。利用者はRobloxのアプリからアカウント登録し、アバターとしてメタバースに参加することで、名所を自由に散策し、他のユーザーと交流できる。

 再現された建物の上に登ることも可能で、メタバースの全景を眺めることができる。場所によっては高所のところもあり「足がすくみそう」という利用者の声も聞かれた。

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現代エリアの渋谷駅前の様子。ハチ公に話しかけるとミッションを受け取れ、ゲーム感覚でメタバースを楽しむことができる。
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江戸エリアの盆踊りゾーンの様子。キャラクターたちの踊りの輪に加わるとアバターが自然に踊りだす、不思議な体験を楽しむことができる。

 メタバース空間の東京では、さまざまな楽しみ方が提供されている。エリア内に隠された東京タワーや江戸城のフィギュアなどのお宝を探すトレジャーハントのほか、回転寿司店で行われるお皿取りサバイバルゲーム「Sushi Showdown」やユーザー同士で競い合う障害物レース「Edo Dash」がある。また、掲示板からは、東京の名所に関する観光情報を得ることが可能だ。

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サバイバルゲーム「Sushi Showdown」。画面上部に寿司ネタの画像が出るので、制限時間以内に同じ寿司ネタのオブジェクトの上に移動できればコインを入手できる。
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障害物競争ゲーム「Edo Dash」。江戸の街を舞台に、ゲーム内の随所に配置されたアイテムを駆使して一位を目指す。

 友だち作りには工夫もあり、自身のアバターに「アニメが好き」「案内して」など好みや関心ごとを示すタグを設定できるので、他のアバターとチャットしやすくなる。チャットには英語をはじめとした全16か国語の翻訳機能が備わっているため、日本語でも国外の相手に容易に伝えられる。なお、迷惑行為をするアバターに対しては、警官アバターに通報することも可能だ。

リアルな東京観光をさらに楽しくするWebアプリ「TOKYO HUNT!」

 「TOKYO HUNT!」はスマートフォン用のWebアプリで、アカウント登録不要で無料で楽しめる。このアプリを使用すると、東京国立博物館、浅草の雷門、両国国技館の力士像、秋葉原の万世橋、浜離宮、豊洲市場、新宿の都庁、渋谷のハチ公像、羽田の東京ブランドのPR拠点である#Tokyo Tokyo BASEなど、東京の9つの名所について、その見所やアクセス方法を紹介してくれる。それぞれの名所は東京都の公式観光サイト「GO TOKYO」へのリンクが含まれているので、周辺情報の入手も可能だ。

 実際にこれらの名所を訪れると、位置情報を基に特別なエンブレムを受け取れる。また、渋谷、浅草、両国、浜離宮では、力士や武将といったオリジナルキャラクターとのARによる記念撮影も可能。訪れた名所ごとに3つのエンブレムを集めると、「HELLO! TOKYO FRIENDS」メタバース内で使用できるレアアイテムが入手できる。

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Webアプリ「TOKYO HUNT!」のトップ画面。観光名所が分かりやすく表示されている(左)。浜離宮の建屋の前で、ARで表示された武将と記念撮影ができる(右)。

 「HELLO! TOKYO FRIENDS」内の東京で遊ぶ人々は、いずれ実際の東京を訪問したくなるかもしれない。バーチャル空間内で東京の名所を巡りながらさまざまなアイテムを入手すれば、その成果を友人たちに自慢できる。このようにバーチャル空間と現実世界を自由に行き来できる取り組みによって、世界中の人々が東京への関心を高め、将来にわたって持続的に旅行者を集客していくことを狙っている。

HELLO! TOKYO FRIENDS

https://hellotokyofriends.metro.tokyo.lg.jp/jp/
※​​通​信​費​や​必​要​な​機​器​は​利​用​者​の​負​担​が​必​要​。​
取材・文/森英信
画像提供/HELLO! TOKYO FRIENDS