トップアスリートが東京に集結! パラスポーツの国際大会が続々と開催

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 東京2020パラリンピック競技大会(以下、東京2020パラリンピック)を機に、パラスポーツへの関心が高まり、国際大会の東京招致が進んでいる。2022年11月以降に開催される注目の大会をチェック!
視覚障がい者柔道をはじめ、パラスポーツ独特の激しさやスピード感を楽しめる競技が多い。Photo: ©JBJF

東京2020パラリンピックの熱気を再び

 東京2020パラリンピックで日本は、金メダル13、総メダル数51という華々しい成果を残した。前回のリオ2016パラリンピック(金メダル0、総メダル数24)から大躍進となった。東京2020パラリンピックを見て、競技のルールや楽しみ方を知り、パラスポーツに興味をもつ人が増えている。

 オリンピック・パラリンピックの開催にあたり大規模スポーツ施設を整備したこともあり、現在、国際スポーツ大会の東京招致の動きが活発化している。202211月以降、パラバドミントン、車いすラグビー、視覚障がい者柔道などの国際大会の開催が決定。世界のトップアスリートたちの試合をふたたび東京で観戦することができる。

ヒューリック・ダイハツBWFパラバドミントン世界選手権2022(パラバドミントン)

 2022年111日から6日まで、国立代々木競技場第一体育館で開催されるのは、パラバドミントンの「ヒューリック・ダイハツBWFパラバドミントン世界選手権2022」だ。東京2020パラリンピックで正式競技として採用されたばかりのバドミントン(パラバドミントン)だが、世界選手権は今回で13回目。

 パラバドミントンは、ルールや使用する道具は健常者のバドミントンとほぼ同じで、予備知識がなくても楽しめる。障がいの程度に応じて車いすのクラスが2つ、立位のクラスが4つの計6つのクラスに分かれている。車いすクラスは巧みなチェアワーク、立位のクラスは健常者に勝るとも劣らないスピード感や、縦横無尽な動きなど、クラスごとにみどころがある。

 今大会では、シングルス、ダブルス、混合ダブルスを実施する(クラスによって開催されない種目もあり)。東京2020パラリンピックでは、金メダル3、銀メダル1、銅メダル5と目を見張るような活躍を見せた日本チームの活躍に大いに期待したい。

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写真は「ヒューリック・ダイハツJAPANパラバドミントン国際大会2019」のもので、左の2面が車いす、右の2面が立位のコート。Photo:©JPBF

2022 車いすラグビー SHIBUYA CUP(車いすラグビー)

 リオに続き、東京2020パラリンピックでも銅メダルを獲得した車いすラグビーの日本代表は、20226月発表の世界ランキングで初の1位を獲得。今後の活躍に期待が高まっている中で20221119日、20日に国立代々木競技場第二体育館で開催されるのが「2022 車いすラグビー SHIBUYA CUP」だ。

 これまでアジア地区では定期的に開催する車いすラグビーの国際大会がなかったことから、東京2020パラリンピックのレガシーを引き継ぐ大会として日本車いすラグビー連盟が企画した大会で、今回は日本チームとオーストラリアチームが対戦する。

 試合は44で行われ、車いすを使う競技の中で唯一、車いす同士がぶつかり合うことが認められている。競技用車いすは装甲車のような見た目で、形状は小回りが利くコンパクトな攻撃型と相手の動きを止めるためのバンパーが付いた守備型の2種類。会場で、あるいはライブ配信で轟音が響くプレイの迫力を楽しもう。

 さらに、2023629日から72日まで「2023 WWR アジア・オセアニア チャンピオンシップ」の東京開催も決定。日本代表チームをはじめ、46カ国のチームの参加が予定されている。車いすラグビーは今後ますます盛り上がっていきそうだ。

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車いす同士が激しくぶつかり合いながらボールを持ってゴールを目指す。写真は「車いすラグビーワールドチャレンジ2019」のもの。Photo: © ABEKEN/JWRF

IBSA Judo Tokyo International Open Tournament(視覚障がい者柔道)

 視覚障がい者柔道と健常者の柔道との大きな違いは、選手2人が組んでから試合が始まるという点。常に組み合った状態なので、開始直後から大技が決まるなど、展開が早く片時も目が離せない。

 20221211日に講道館大道場で開催される「IBSA Judo Tokyo International Open Tournament」は、日本で初めて開催されるIBSA(国際視覚障害者スポーツ連盟)公認大会だ。2024年のパリパラリンピックに出場するためには、世界ランキングで10位以内に入っていないと厳しいため、ランキングポイントを獲得できるこの大会には、世界のトップアスリートの出場が予想される。出場枠は東京2020パラリンピックよりも多く、世界最高レベルの技を競う大会になるだろう。

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技の応酬による激しい攻防は見ごたえがある。写真は「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2019」のもの。Photo: ©JBJF

パリ大会に向けた戦いはもう始まっている

 2024年のパリパラリンピックに向けて、アスリートたちは更なるレベルアップを目指し、日々トレーニングを続けている。紹介したパラスポーツの国際大会では、東京2020パラリンピックに負けない白熱した戦いが繰り広げられることになりそうだ。

ヒューリック・ダイハツBWFパラバドミントン世界選手権2022

日本パラバドミントン連盟 https://jpbf.jp

2022 車いすラグビー SHIBUYA CUP

日本車いすラグビー連盟 https://jwrf.jp

IBSA Judo Tokyo International Open Tournament

日本視覚障害者柔道連盟 https://judob.or.jp

※大会の最新情報は各連盟のホームページ等でご確認ください。
取材・文/今泉愛子