ハローキティにインタビュー
国境を超えて人々を笑顔にするために、チャレンジを続けています!
--社会活動を始めたきっかけを教えてください。
私の夢は、世界中のみんなが思いやりをもって笑顔で仲良く「ハロー!」と言い合える世界が続くことです。2002年から全国の病院をはじめ特別支援学校や被災地などを訪問し、みんなが笑顔になれたらと応援してきました。
SDGsのことを初めて知った時、もしかしてSDGsの達成って、この夢をかなえることと同じなんじゃないかな?と気付き、2018年から私のYouTubeチャンネルでSDGsの達成を応援する活動を始めました。2019年9月から国連と一緒に取り組むこととなり、SDGsを学んで、多くの方々に伝える活動を続けています。
--東京都では福祉の仕事の魅力を伝える「TOKYO福祉のお仕事アンバサダー」を務めていますが、反響はいかがですか?
TOKYO福祉のお仕事アンバサダーを始めて、福祉に興味をもってくれた方からは「世界的に有名なキティちゃんがアンバサダーになって、とても親しみやすくなり、興味をもつきっかけになった」、東京都職員の方からは「人気者のキティちゃんが福祉について説明してくれることで、理解や興味を得られやすい。もっと続けてほしい」とのうれしい声をいただきました! どこにいてもチャレンジはできると思いますが、東京にはたくさんの人がいて、イベントも多いので、さまざまなことに挑戦できるのではないかなと思います。
--海外でのSDGsに関する活動で印象的だった国は?
どの場所でも、とてもたくさんのことを知ることができましたが、その中でもバングラデシュでのことは記憶に残っています。コックスバザールという都市にあるロヒンギャの難民キャンプに行ったのですが、この場所にはミャンマーからの難民が90万人もいます。
ここで暮らしている人々の中には、衛生的ではない場所でお産をし、その結果赤ちゃんやお母さんが命を失うことも少なくないそうです。ちゃんとした設備のない環境でも、親子を守ろうとがんばっているバングラデシュの助産師さんたちが、「本当にこの仕事に誇りをもっているんです」と言って働く姿にとても感動しました。私たちも、そう言えるように努力しないといけないと思っています。(HELLO KITTY YouTubeチャンネル:ゴール3「すべての人に健康と福祉を」@バングラデシュ【ハローキティ 世界のSDGs応援 Goal3】)
--国連職員の方々からSDGsについて学んで、どんなことを感じましたか?
SDGs達成に向けて活動している方に実際にお会いして直接お話しすることで、初めて気付くことや、わかることがたくさんありました。私が見て学んできたことを、今度は私がみなさんに伝える活動をしっかりと行っていきたいと思いました。未来がもっとハッピーになるように、さまざまなことにチャレンジしたいです。
--国内外問わず積極的に活動されていて、多くのファンがいますね。世界のさまざまな方と会う時に、心がけていることはありますか?
活動に興味をおもちいただきありがとうございます。私が活動することでSDGsをより身近に感じていただけたら、とてもうれしいです。初めての方とお会いする時は笑顔を心がけています。私が笑顔でいることで、お会いする方も笑顔になってくれるといいなと思っています。
--11月は国際協力機構(JICA)との取り組みでインドに行かれるそうですが、どんなことにチャレンジするのでしょうか?
2021年にユニセフが提唱する10月15日の「世界手洗いの日」に向けて、「キティといっしょに手を洗おう」という歌を作りました。インドを中心に、世界中の子どもたちへの手洗い啓発活動の一つとして活用してもらっています。今回インドではこの手洗い啓発活動のほか、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」の活動として国連開発計画(UNDP)にご紹介いただいた畑へ取材に行きます。急激な気候変動が原因で耕作放棄地になってしまった畑を、力を合わせてよみがえらせた町のみなさんにお話を聞く予定です。
「ハロー!」と元気に挨拶し、相手を理解しようと努める思いやりと笑顔が世界の人と仲良くする秘訣だと答えてくれたキティ。その勇気ある活動が、世界中に笑顔の輪を広げている。
写真(取材)/平岩亨
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