世界最高にスタートアップフレンドリーな都市を目指す拠点

国内外の多様なプレイヤーをつなぐ結節点に

　TIBはスタートアップとその支援者が集まり、交流するプラットフォームとして開設。約300人を収容できる大規模なイベントスペースを中心に、多くの人が集まる機能を充実させている。

　2022年11月に東京都が掲げたスタートアップ戦略「Global Innovation with STARTUPS」の中で、「未来を切り拓く10x10x10のイノベーションビジョン」という目標が掲げられている。5年で10億ドル以上の評価額のある東京発のユニコーン企業数10倍、東京都の起業数10倍、東京都との官民連携の数10倍を目指すという高い目標を達成する上で、その本拠地になるのがTIBだ。

　東京には渋谷、六本木、虎ノ門、大丸有（大手町、丸の内、有楽町）、本郷などの各エリアにスタートアップ・エコシステムが分散し自律して活動している。TIBはこれらをつなぎ合わせ、一つの大きなスタートアップ・エコシステムを創ることを目指す。

　アメリカの調査会社、スタートアップ・ゲノム社が毎年発表しているスタートアップ企業が育ちやすい都市の世界ランキングの2023年版で、東京は15位と前年の12位から順位を下げた。特に、国内外市場におけるスケールアップやユニコーン輩出状況などに基づく「マーケットリーチ」の指標が低く課題となっていた。

　東京都スタートアップ・国際金融都市戦略室の西川知伸氏は「TIBは、"世界中のイノベーションの結節点"になることを大きな目標としつつ、日本で活動したい海外のスタートアップや投資家がまずは最初に訪れる玄関口になることを目指しています」と語る。

TIBのコンセプトは官民一体で「みんなで創る」

　TIBの立ち上げ段階から都職員と一緒にプロジェクトの企画運営を担う"スターティングメンバー"には、26の企業・団体が名を連ねた（2023年11月27日時点）。また、スタートアップ支援等を目的としたイベント・プログラムなどを実施する「TIBパートナー」の募集には、全国の企業・団体、大学などから応募が集まっている。

本オープンに向け、様々な機能が拡張

　2023年11月のプレオープン後、2024年5月グランドオープンに向けて設えの整備が進む。2階部分にはアクセラレーターやVCが常駐し、資金調達や海外展開などの相談ができるコンシェルジュサービスのデスクや、ワーキングスペースも開放するなど、機能は順次拡大中だ。

　また、スタートアップが自社の製品やサービスをPRするピッチや、地方のスタートアップが東京の支援者と交流できるマッチングイベント、学生・若者向けにアントレプレナーシップを養うプログラムなど、様々なイベントやプログラムを連日開催し、盛り上がりを見せている。

　4月27日から、持続可能な未来の都市像を議論する、アジア最大規模のスタートアップイベント「SusHi Tech Tokyo 2024 グローバルスタートアッププログラム」が開催されている。TIBの取り組みを世界に発信する絶好の機会となりそうだ。

　東京発のイノベーションを巻き起こす拠点となるか、TIBが担う役割に期待が高まる。

Sustainable High City Tech Tokyo = SusHi Tech Tokyo は、最先端のテクノロジー、多彩なアイデアやデジタルノウハウによって、世界共通の都市課題を克服する「持続可能な新しい価値」を生み出す東京発のコンセプトです。

SusHi Tech Tokyo 2024: 
https://www.sushi-tech-tokyo2024.metro.tokyo.lg.jp/