最初の一歩を後押し。出会いや結婚を応援する「はちみつ結びの日」

 東京都では、結婚を望む人を支えるさまざまな取組が実施されている。出会いや結婚への一歩を応援する「TOKYO八結び」キャンペーンの一環として、令和8年8月8日、「8」が三つ並ぶ「はちみつ結びの日」に、「TOKYO結婚おうえんフェスタ」が麻布台ヒルズで開催され、過去最大となる5.5万人が来場した。結婚を望む人の一歩を後押しするイベントの様子と、東京都の多彩な取組を紹介する。
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登壇した柿谷曜一朗氏(左)、小池百合子都知事(中央左)、井上咲楽氏(中央右)、植草美幸氏(右)

「8」の力で気運醸成、結婚をもっと身近に

 東京都は、「『叶えたい』を支えたい」をキーメッセージとして、「結婚したい」「子どもを持ちたい」という希望を叶える東京を実現していくため、出会いから結婚、妊娠・出産と子育て、仕事と育児の両立など、ライフステージの変化に応じた「切れ目のない支援」に取り組んでいる。こうした中で、都内の婚姻数は2025年に前年比4.0%増と、19年ぶりに2年連続の大幅増を記録した。都内の日本人の出生数も同年、10年ぶりの増加に転じている。

 そして、東京全体で結婚を応援するため、8が三つ並ぶ特別な日に開催されたのが、今回の「TOKYO結婚おうえんフェスタ」だ。

 中央広場で開かれたオープニングイベントは、大勢の来場者でにぎわう中、小池百合子都知事の開会宣言から始まった。東京都の結婚支援事業に関する取組を紹介するほか、気運醸成への期待を述べた。

 「末広がりの『8』を横にすると『インフィニティ(無限大、永遠)』になります。インフィニティの力で、今日の出会いと交流が未来につながる一歩となるよう、一緒に将来を考えていきましょう」

 会場には高市早苗内閣総理大臣からの祝辞をはじめ、八結びプロジェクトで連携している愛知県・山梨県・香川県知事からのビデオメッセージも寄せられた。また、「8」という数字やキーワードを効果的に取り入れた、結婚気運の醸成につながる企画募集イベント「TOKYO八結びムーブメントプロジェクト」で優秀賞を受賞した8企画の表彰式も行われた。

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結婚に関する価値観を話し合う4名のトークに、会場は大いに盛り上がった

 後半のトークステージでは小池都知事とともに、婚活アドバイザーの植草美幸氏、サッカー元日本代表の柿谷曜一朗氏、タレントの井上咲楽氏ら豪華なゲストが登壇。柿谷氏は自身の経験を元に「自分のために努力してくれる姿を見せてくれた」「楽しいこともそうじゃないことも、一緒に乗り越えて行けると思った」と、結婚を決めた経緯について語った。井上氏は理想のデートについて「お互い別々に過ごす時間も大切にしながら、経験を共有したい」と話し、趣味のマラソンについて「練習は週5回、月250キロ走っている」というエピソードにゲストたちも驚きの声を上げ、会場を盛り上げていた。

 「結婚は『いつか』したいではなく、『いつ』すると決めることが大事」「女性も積極的にプロポーズする時代。待っているだけでは誰も来ない」と、これまで1,300組以上のカップルを成婚に導いてきた植草氏のコメントに、来場者が真剣にうなずく姿も見られた。

自分を磨き、一歩踏み出すための体験ブース

 森JPタワー33階のヒルズハウスでは、婚活への不安を和らげ、次の行動につなげるきっかけづくりとして、さまざまな体験型のコンテンツブースが並んだ。プロフィール写真に活用できるフォト&ヘアアレンジ体験、声や話し方についてアドバイスが受けられる診断、パーソナルカラー診断、模擬結婚相談などである。

 フォト&ヘアアレンジ体験をした20代女性は、「周りに結婚する友人が増えてきて、自分も何か始めなければと思い参加しました」と話す。

 同じくフォト&ヘアアレンジ体験と模擬結婚相談を予約した20代男性は、4カ月前に名古屋から上京したことを機に婚活をスタート。30歳までには結婚したいと考えているが、職場でもプライベートでもなかなか出会いがないという。

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写真撮影を終えた女性は「こんなにきれいに撮ってもらえてうれしい。この写真で婚活を頑張りたいです」と笑顔で語った

 友人と連れ立ってイベントに参加した30代女性は、6年前に離婚を経験。子どもを育てながら、もう一度誰かとパートナーシップを築きたいという思いを温めていた。

 これまでマッチングアプリや婚活パーティーなど幅広く試したそうだが、「マッチングアプリはプロフィールと実物の印象が必ずしも一致しないことがあったり、交際に対する考え方もそれぞれだったりするので、少し判断が難しいと感じます」「婚活パーティーは結婚を意識した参加者が多い一方で、お互いが慎重になり、関係性が進展するのに時間がかかることも」とそれぞれの特徴を話した。

 30分の模擬結婚相談を体験した後には、「期限をしっかり決めて活動することの大切さに気付きました。自分なりにあと半年やってみて、良い出会いがなければ結婚相談所への入会も検討したいです。今まで年下男性は考えていなかったが、視野を広げたいと思いました」と前向きな姿勢を示した。

結婚はゴールではなく、一つの幸せの形

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模擬結婚相談ブースでは、専門カウンセラーが相談者の婚活への不安や悩みに寄り添いアドバイスをする

 模擬結婚相談ブースを担当するカウンセラーの石井さなえ氏は、自身も40代後半で結婚相談所を経て結婚したが、結婚後すぐに離婚の危機を経験した。パートナーシップについて学ぶ中、同じ悩みを持つ人を支援したいという思いから、カウンセラーの道へ転身。「結婚はゴールではなく、一つの選択。自分に向き合い、自分の幸せの形を見つけてほしい」と語った。 

 近年の未婚者の増加や晩婚化の傾向については、「恋人という関係に限らず、異性の友人を含めて『深い関係性の築き方』がわからなくて悩む人が多い」と話す。その上で、結婚相談所を利用するメリットとして「カウンセラーが親身にサポートするので、結婚やパートナーシップへの不安が大きい人ほど、ぜひ結婚相談所を活用してほしい」と話した。

理想の未来を描くシミュレーターとAIマッチングシステム

 屋外会場の「東京都結婚おうえんブース」では、8年後の未来の暮らしをイメージできる「東京ライフデザインシミュレーター」の体験コーナーも人気を集めていた。進学や就職、結婚、出産といった人生の節目となるライフイベントをSNS投稿形式で疑似体験しながら、それぞれの段階で関連する東京都の施策についても知ることができる。

 また、東京都が運営するAIマッチングシステム「TOKYO縁結び」は、価値観診断テストの結果を元にAIが相性の良い相手とのマッチングをサポートする。会員登録には独身証明書や本人確認書類などの提出が必要なこともあり、「東京都が実施しているから安心感がある」「ぜひ使ってみたい」と、今回のイベントでも来場者の注目を集めていた。令和6年9月から本格稼働し、令和8年8月31日の時点で累計入会申込数は約39,000人。316組が成婚に至るなど、結婚につながる成果も生まれている。

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東京都では、趣味や活動を通して自然に交流できるイベントも定期的に開催している

「叶えたい未来」を実現できる東京都へ

 「これまで婚活に踏み出せていない層に都が積極的に働きかけることは、婚活業界の活性化につながり、さらに官民連携によって社会全体の結婚気運醸成に寄与している」と話すのは、東京都生活文化局都民生活部都民活躍支援担当課長の大森有一氏。都が主体となって提供するコンテンツやイベントは安心感があるという声も多く、行政としての役割の重要性も高い。

 「安心した環境で婚活がしたい」「自分のペースで結婚に向けたステップを進めたい」など、これまでの取組の中で見えてきたニーズをしっかりと受け止め、今後の施策に生かしていくとのことだ。

 東京都は「『叶えたい』を支えたい」をキーメッセージとして掲げ、望む人の希望を叶える都市を実現するため、一人ひとりのライフステージに応じたシームレスで多様な取組を、これからも展開していく。

取材・文/加藤奈津子
写真/穐吉洋子