大量生産、大量消費に疑問 次世代の消費スタイルで人を幸せにするブランドをつくる
*「APT Women(Acceleration Program in Tokyo for Women)」は、東京都による女性ベンチャー支援プログラムです。
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自身のスキルを客観視して、
起業のタイミングを見極める
20代のころ青年海外協力隊でデザイナーとしてエチオピアとガーナに赴任、その後外資系ブランドのマーケティングを経て2012年に起業しました。協力隊を終えてすぐに起業しようと考えたこともありましたが、自分にはヒジネススキルが足りないと感じ必要なことを学ぶため一旦企業に就職しました。よく誤解を受けるのですが、私は「国際協力や途上国支援がしたい」という目的でだけで会社を立ち上げたわけではありません。最高品質のエチオピアシープスキンを使った製品を通じて、大量にものや情報があふれる日本の人々にも新しい価値を提供したい、ものと一緒に幸せを届けたいという思いから起業したのです。その強い思いがあったからこそ、将来の目標と自分のスキルを一度冷静に照らし合わせてみると、その時点でやるべきことが次第に見えてくるのだと思います。
ダイナミックで自由なビジネスを
APT Womenのシリコンバレー派遣を通じて、自身のビジネスに対する考え方や価値観が大きく変わりました。私たちは素材調達など事業におけるすべての工程で、社会や環境に配慮することを目指しています。しかし日本で「フェアトレード」や「エシカル」というと周囲からの反応が悪く、表にはあまり出さないようにしていたのです。一方シリコンバレーで最も求められたのは、商品の品質以上に事業の社会的意義。ミッションを重視してから利益を追求するスタンスに、とても感銘をうけました。またデザイナー、アーティスト気質の強い自分は、経営者としては足りない部分がとても多いと感じていましたが、欠点よりも長所をいかし、よりダイナミックで自由なビジネスをしようと決意を新たにすることができました。
favorite いつもと違う場所に身を置く
次世代のラグジュアリーブランドをつくる
国内外でデザイナーとして長く働いてきた経験から、現在のものづくりにおける大量生産・大量消費のモデルに疑問を感じるようになりました。自分は「すでに口紅を20個持っている人に21個目を売る仕事」ではなく「使う人が心から幸せだと感じる一生ものを売る仕事」がしたい。大量に同じような商品を買う人は、それらの質や自分自身に満足していない場合が多いのだと思います。だからこそ作り手の想いやストーリーを込めた高品質な製品は「次世代のラグジュアリー」になりえると信じているのです。これからも使う人に幸せになって欲しいという気持ちを込めて、エチオピアの自然や文化をデザインに取り入れた商品を丁寧に作って販売していきたいと思います。