技術の力で先入観を取り払い公正な社会をつくりたい
*「APT Women(Acceleration Program in Tokyo for Women)」は、東京都による女性ベンチャー支援プログラムです。
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シンガポール派遣で新しい方向性が見えた
ソニーなどを経て2013年に起業しました。客観的な評価が難しい会話内容をAIで分析し、数字を用いて具体的に評価するサービスを展開しています。例えば営業では成績上位と下位の人の会話情報を比べると効果的な改善策を立てられるため、これまで100社以上の企業に導入していただきました。APT Womenに参加した理由は、事業の成長に合わせて私自身もしっかりと経営について学びたいと考えたからです。シンガポール派遣中には「営業の改善策を立てるのではなく、面接でできる人をスクリーニングできるサービスがほしい」と意見をいただき、その一言が大きなヒントになりました。帰国後に面接の質を分析できる新サービスの開発に着手し、日本より先に海外での展開を進めています。
社内の課題解決に向け、メンターと併走した3ヶ月間
事業の拡大とともに社員が増えるにつれて、採用しても定着しなかったり、各部署の方向性がブレるなど社内課題も増えていきました。そこでAPT Womenのメンターの方にサポートいただいたのです。まずは優先して解決すべき課題を整理するために、社員150人にアンケートを実施。問題を洗い出しながらどんな人が会社に必要なのかを考え、採用方式も変えました。会社全体の指針も「社会的、長期的に意義があるか」「成功より挑戦(精度を求めるより繰り返し改善)」「会議の最後に3分立ち止まって反対意見を考える時間を作る」と明確に設定し直しました。3ヶ月のプログラム期間中にメンターと一緒になってひとつひとつ課題を解決できたことで、しっかりと前に進む準備ができたように思います。
favorite 料理を作ったり絵を描いたりする時間
思い込みをなくし、人生の選択肢を広げたい
私は10代の頃に一度起業したことがあります。スポーツ選手や専門家が情報交換できるインターネット掲示板を作成し、学会にも登壇させていただきました。そんな経験ができたのは「10代だからできるはずがない」といった思い込みをもたず、当時の私に色々な機会を与えてくれた人々や環境のおかげです。この経験が原体験となり「人がもつ先入観を技術の力で取り払い、選択肢を広げる仕事がしたい」と考えるようになりました。思い込みで「そんなはずはない」と思っていたものが、数字などのデータを見ると予想もしていなかった結果になることがあります。私たちも様々なサービスを通して、バイアスのない公正な社会を作っていきたいです。