世界最大のオフィス家具見本市、オルガテックが東京に初上陸

未曾有の可能性を秘めたマーケット
2年に1度、ケルンで開かれる世界最大規模のオフィス家具の国際見本市、オルガテックを主催するケルンメッセが日本での展開を決め、ケルンメッセ日本法人と日本オフィス家具協会が共同でオルガテック東京2022を開催。ケルンメッセ副社長のマティアス・ポールマン氏に東京で開催した意図や今後の展望を訊いた。
「実は、ドイツ以外でオルガテックを開催するなら、ぜひとも東京でという声は、これまでもヨーロッパの参加企業から多く寄せられていたんです。いざ準備に入ろうとしたタイミングでコロナ禍に突入。無事に開催できるだろうかという不安もありましたが、幕を開けてみれば大変多くの方にお越しいただき、正直驚いています」
ケルンメッセや欧米の参加企業にとって、東京で開催するメリットはどこにあるのだろうか。
「言葉や文化の違いもあるので、アジアは欧米企業にとってなかなかアプローチが難しいマーケットです。東京は文化が成熟している都市であり、さらに新しい感覚ももち合わせている。そこに無限のポテンシャルを感じ取っているのではないでしょうか」
オルガテック東京2022には、世界8か国から63社が参加(日本 47 社、海外16 社)。ドイツで開かれるオルガテックに比べれば参加企業数は10分の1以下だ。しかし、これまでドイツのオルガテックには参加していなかったが、東京での開催を知って出展を決めた企業もあったという。こうした東京への期待は注目すべき点だ。

主催者も驚く、レベルの高い展示
また会場を視察したポールマン氏は、各出展社の展示のクオリティを高く評価した。
「どのブースを見ても会場設計やプレゼンテーションの手法が独自性に満ちていて、ハイレベルで競い合っていました。私は、これまでさまざまな都市で数多くの展示会を運営してきましたが、初めての開催国でこれほどのクオリティを実現できた例はありません。さすがは東京だ、と感心するとともに、この先どのように発展していくのか楽しみでなりません」
初回で勢いのついたオルガテック東京は、今後も継続が決定し、毎年春に開催される予定だという。

ワークスタイルの変化に対応する、多様なアイデア
新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの企業がリモートワークを推奨した。自宅で仕事をするために、新たな環境やシステムの導入を余儀なくされた人も多い。ポールマン氏は、コロナの影響で、オフィス産業は過去に例を見ない大きな転換期を迎えていると話す。
「オルガテック東京2022の展示を見ても、家庭用のオフィス家具が多く紹介されているのはもちろんのこと、働く人のコミュニケーションシステムやパーソナルサービス、エコシステムなど、多様なアイデアが次々に登場しています。メーカーのみならず、建築家やデザイナーの協力も仰ぎながら、ニューノーマルの時代に適したオフィスデザインやワークスタイルをオルガテックから発信していければ幸いです」


東京ビッグサイトで開催されたオルガテック東京2022は、コロナ禍であり、またデビューイベントであったにもかかわらず3日間で21,958人が来場。これまで日本にはオフィス家具を中心とした大規模な見本市がなく、各社が独自に展示会を開催する必要があったが、国際的に実績のあるオルガテックが日本で展開することにより、新規クライアントを獲得する絶好のチャンスが生まれたと各出展企業は意欲を語っていた。今回の盛況ぶりを受け、来る2023年4月に予定されている第2回のオルガテック東京がどれほど規模を拡大していくのか、大きな期待が寄せられる。

オルガテック東京 www.orgatec-tokyo.jp