スモール ワールズ TOKYOのミニチュア世界が、SDGs学習に⼤⼈気
毎月約3000人の子どもたちが体験するプログラムとは
スモール ワールズ TOKYO(SMALL WORLDS TOKYO)は世界最大級の屋内型ミニチュア・テーマパークで、8000平方メートルの空間に80分の1スケールの小さな世界が広がっている。産業革命時代のアジアとヨーロッパをベースとした街並みにドラゴンなどのファンタジー要素を加えた「世界の街」や、シャトルの発射を間近で見られる「宇宙センター」など、6つのエリアに分かれている。
スモール ワールズ TOKYOは探究学習を前提として設計されたテーマパークでもあり、学校団体向けに提供する学習プログラムが好評を博している。2022年は、校外学習や修学旅行で月間3000人ほどの生徒・学生が訪れ、プログラムを体験しているという。
プログラムは、「SDGs探究」「キャリア探究」「モノづくり」「プログラミング」「最先端テクノロジー」など多岐にわたる。学年や学習進度、専攻などに合わせて、一校一校プログラムの組み合わせや内容のカスタマイズも提案。また、英語対応のスタッフがいるため、ほとんどのプログラムを英語でも体験できる。
ミニチュアの世界でSDGs達成に向けた取り組みを探す
たとえば、「SDGs探究」の「クイズラリーでSDGsを『知る』」というプログラムの場合、まずSDGsについての説明を聞く。そして、パーク内を見学しながら、クイズの答えとなる、ミニチュア世界やパーク内にあるSDGsへの取り組みを探す。最後に、クイズの解答・解説を聞き、SDGsの17のゴールから自分が実行するアクションを考える。
「このシーンでSDGsのゴール5 (ジェンダー平等)が達成されれば、人はもっと住みやすくなる」など、クイズの答え以外に見つけた社会課題やSDGsへの取り組みをチームで話し合ったり、発表したりするなど、日本人が苦手とされるアウトプット力の向上にも注力している。
さらに、SDGsは説明を受けただけではイメージしづらいことも多いが、スモール ワールズ TOKYOではミニチュアの世界を俯瞰できるので、目で見て理解しやすいという。「生徒たちに俯瞰する視点が身に付く」という引率教員からの声も多い。
体験プログラムを通して将来に必要なスキルを養う
近い将来の働き方は、自分の得意や専門性をより生かす「ジョブ型」になるといわれている。そこで必要なのは、子どものうちから自分の「好き」「強み」を探しておくこと、フューチャースキル(創造力、課題発見・解決力、回復する力、やり抜く力)を養うことだ。
館長の竹村真紀子氏は「子どもの興味関心はいろいろなところにあります。ミニチュア職人の仕事をずっと見ている子、パーク内の香りに興味をもつ子、ロケットだけを見て帰る子もいます。どんなフックでもいいので『好き』を見つけて、自主的な学びができるようになってくれればうれしいです」と言う。
また、スモール ワールズ教育委員会の委員長、スタディサプリ教育AI研究所所長、東京学芸大学大学院准教授を務める小宮山利恵子氏はスモール ワールズ TOKYOについて次のように語る。「一定分野の知を継続して深掘りする『知の深化』は学校でできます。しかし、刻一刻と変化する時代を生き抜いていくためには、『知の深化』だけでなく、自分の認知を広げていこうとする『知の探索』も合わせた『両利きの学び』が必要になります。スモール ワールズ TOKYOは思う存分、『知の探索』ができる場だと思います」
今後より一層グローバル化が進むなかで、いろいろなバックグラウンドをもつ人たちと協力していくためには、SDGsに対する理解を深め社会課題に関心を持つこと、多様な価値観に触れ国際感覚を身に付けることが重要だ。スモール ワールズ TOKYOは、そういった将来に必要な能力を養える場の一つであるといえるだろう。
スモール ワールズ TOKYO(SMALL WORLDS TOKYO)
住所:東京都江東区有明1-3-33 有明物流センター開場時間:9時~19時(最終入場は18時)
料金:一般¥2,700、中高生¥1,900、幼児・小学生¥1,500
※学校団体向けプログラムの詳細は公式サイトでご確認ください。
※施設の内容や料金などの情報は2022年6月10日現在のものです。
www.smallworlds.jp
写真提供/SMALL WORLDS