在留外国人と支援サービスが出合う「EXPAT EXPO TOKYO 2022」開催

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 「EXPAT EXPO TOKYO 2022」が2022年11月25日、26日に東京都立産業貿易センター浜松町館で開催される。東京都内および近郊に住む在留外国人や外国人雇用に関心を向ける企業などが集うイベントだ。本イベントの見どころや魅力を主催者に聞いた。
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「EXPAT EXPO TOKYO 2021」(2021年11月5日)の出展ブースの様子。

拡大を続ける東京を拠点とした国際コミュニティ

 東京が在留外国人や外国企業にとってますます人気の都市となるにつれ、外国人向けサービスの需要も高まっている。株式会社イノベント(東京都港区)はこの変化に着目し、在留外国人と地元企業をつなぐ「EXPAT EXPO TOKYO」を2020年から主催している。初年度の立ち上げ時から運営チームに参加、市場の拡大を目の当たりにしてきた同社のアシスタントマネージャー、アラート・ユカリ氏は「国の統計では、280万人以上の外国人が日本に住み、仕事に就いたり、学業に励んだりしています」と語る。

 「もともとこのイベントは、外国人向けサービスを提供する国内外の事業者用マッチングプラットフォームB2B2CBusiness to Business to Consumer)の展示会として、2020年に初めて開催しました。海外へ移住する際、言葉や文化の違いは大きな障壁となります。だからこそ、外国人居住者とその家族のサポートに励みました。初年度は全展示ブースが埋まり、その翌年にはブース数が5倍に増え、168社が出展するまでに成長しました」

 2022年に開催される2日間の展示会では5,000人の来場者込まれており、これまで以上の盛況が予想されている。アラート氏によればコロナの影響はあったものの、日本政府、地方自治体、企業の取り組みにより、外国人居住者の数増加しているそうだ。具体的には、特定技能ビザの新設、「高度専門職」の採用率上昇、政府のダイバーシティ推進が挙げられる。今後外国人居住者受け入れが増えていく可能性が高い

 世界でも住みやすい都市として知られる東京は、質の高い教育環境や住宅、支援活動が揃っていることから、国際的なコミュニティも拡大し続けている。だが一方で、外国人が自ら仕事や生活にまつわる情報やサービスを知ることは容易ではない。

 そういった背景もあり、今年度のイベント規模は過去最大になる。これから日本に住む外国人や、現在日本に住む外国人がより快適に生活するためのサービスや製品を提供するブースが増えている。東京都内および近郊での雇用機会、観光地紹介、そしてイベントでは、世界各地の食を体験できる新しい要素も追加される。

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「EXPAT EXPO TOKYO 2021」(2021年11月5日)に参加する外国人居住者にローカルビジネスを紹介する企業の様子。

必要な情報をスピーディに発見できる場

 3年目を迎えるEXPAT EXPOは、3つの出展分野からなる。「生活サポートサービス」部門にはインターナショナルスクールや語学学校、不動産業が出展、「ショッピング」部門は家具や寝具などの生活にまつわるプロダクトを取り扱う企業が、「観光・レジャー」部門には観光施設や観光ツアー主催者が出展する。来場者は、無料体験やサンプルを受け取りながらブースを見て回ることができ、出展者から直接アドバイスや説明を受けられる

 現在、東京には517千人以上の外国人とその家族が暮らしているが、それらの人々が必要とする情報やサービスを知り理解するにはハードルがある。「EXPAT EXPO TOKYO」の魅力は、こういった悩みをたった1日や2日で解決できることだろう。

外国人として、東京で働く。就職フェアも同時開催

 東京に定住することや、東京でのキャリアアップを目指す外国人向けの「インターナショナル・ジョブフェア」も同時に開催される。今年が2回目であり、「EXPAT EXPO」と同会場で行われる。

 「政府や自治体が外国人労働者の受け入れ拡大に力を入れているため、求人フェアは非常に重要と考えています。長く日本に暮らす外国人には、自身の希望やスキルに合った仕事を見つけてもらいたいです」とアラート氏。

 日本国内の中小企業や人材サービスにもイベントに参加するメリットがある。企業にとっては自社を紹介してブランド認知度を高め、外国人とつながりを持つ機会であり、実際に雇用につながる場合もある。

旅、食、暮らしを楽しむヒントも満載

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EXPAT EXPO TOKYO 2020(2020116)で行われたセミナーの様子。

 「EXPAT EXPO TOKYO 2022」では、新たに「EXPAT TRAVEL FAIR(在留外国人旅行フェア)」と「WORLD FOOD FAIR(世界食品フェア)」が追加される。

 「EXPAT TRAVEL FAIR」では、様々な旅行代理店や観光局が国内外の観光産業を振興し、外国人旅行者に観光地の紹介を行う。

 「WORLD FOOD FAIR」では、外国人が経営するレストランが自国の料理を解説しつつ、多種多様な試食を提供する。参加者は故郷の味を懐かしみ、新たな食との出合いもあるだろう。

 さらに、外国人同士の交流を目的とした家族向けのフリーマーケットも開催。来場者・出店者は無料で参加することができる。

 どこに住んでいても、地域社会とのつながりを持つことは大切である。在留外国人向けの支援サービスが多く存在する東京だが、情報が暮らしの鍵となることは明らかだ。東京が国際的な企業や外国人居住者にとってますます魅力的な都市であるために、「EXPAT EXPO TOKYO」の果たす役割は大きい。

EXPAT EXPO TOKYO 2022

会期:2022年11月25日(金)、26日(土)
会場:東京都立産業貿易センター浜松町館
時間:(11月25日)10時~17時、(11月26日)10時~ 16時
参加費: 公式ウェブサイトからの事前登録の場合入場無料
www.expat-expo.jp
取材・文/ジェシー・カーバット
写真提供/EXPAT EXPO TOKYO
翻訳/笹原 唯